フライブルク便り12

  • 2014.07.28 Monday
  • 17:32
フライブルク便り12

                                                エコル 松尾 和子

 みなさん こんにちは
 
 もう7月も終わりに近づいてきました。こちらは暑かったり,涼しかったり,雨が降って寒かったりで,いかにもドイツらしい天候です。こちらに滞在するのも早いもので,あと1ヶ月とすこしとなりました。

 今回は「天然酵母パン」について書きます。
 去年の8月にドイツに来て,おいしいお菓子やいろいろな種類のパンを食べて,「う〜ん そーかー」と感心しているだけの毎日で,こちらでもお菓子やパンを「焼きたい」とはまったく思っていませんでした。でも,突然今年に入ってから「せっかく時間がたっぷりあるのだから天然酵母パンに挑戦してみよう!」と思い立ちました。以前たぶん24〜5年前に「ホシノ天然酵母」で焼いたことがあったのですが,うまくできなくて挫折した経験があります。それ以来,あこがれはあるのですが,なかなか,またやってみようという気にはなれなかったのです。でもこちらでは時間的にも気持ち的にも余裕があるので,再度挑戦!
 それでインターネットでいろいろと情報を得て,自分なりに作りだしてみました。私の方法を簡単に書いてみます。
酵母水の材料:無農薬のリンゴ  水
.螢鵐瓦鬟競ザクと適当に切って煮沸消毒したビンに入れる。皮も種も全部入れる。水をひたひたに入れて冷蔵庫に1日入れておく。
⊆鴫垢暴个掘1日に何回か振る。数日でブクブクと泡が出てくる。1週間ほどでできあがり。リンゴは取り除いて,酵母水ができる。IMG_4054 (800x533).jpg

パン種の材料:酵母水 全粒粉
々敲貎50奸ち肝格60gを別の煮沸消毒したビンに入れ,よく混ぜ,室温に置いておく。1日で約2倍になる。これにまた酵母水50奸ち肝格60gを入れ,同様に発酵させる。
△海譴鬚△2回繰り返して,「パン種」のできあがり。

パンの材料:パン種(100g〜200g) 粉 塩 砂糖
〆猯舛鮟縞こねて発酵させる。(3〜7時間)
▲ス抜きをして成形をして,また発酵させ(3〜7時間)オーブンで焼いて(約30分)「天酵母パン」のできあがり!酵母水,パン種は冷蔵庫で保管する。IMG_4056 (800x533).jpg
パン種は3日おきくらいに,酵母水50佞帆肝格60gを足して,新鮮な状態を保っておく。
酵母水が残り大匙1〜2くらいになったら,100%リンゴジュース200mlを加え,室温に1日置いておくと,またブクブクと発酵してくる。
1月末に出来上がった酵母水,パン種を使ったり,足したりして,今も元気な酵母を保つことができています。

 この説明でみなさん,わかってもらえたでしょうか〜?。
 でも,とにかく驚いたことに,リンゴと水だけでブクブクと発酵して,パンが焼けるのです。自然の力ってすごいと改めて感じます。なんだか「パン焼きの原点」に戻ったようなかんじです。ドイツなどヨーロッパでは,遠い昔はこうやって家庭でも焼いていたのだろうなぁと思います。こちらでは,リンゴの樹をよく見かけます。リンゴに合った気候なのでしょうが,無農薬で小さいけどたくさんなっていて,身近な果物です。歩きながらリンゴを丸かじりしている人もよく見かけます。酵母水を作る材料としてはいろいろあるのでしょうが,そういう訳で,今回はリンゴで作ってみました。IMG_5748 (800x533).jpg
 パン種を作る材料として「ライ麦の全粒粉」を加えると黒っぽい種になり,「ディンケル小麦粉(スペルト小麦)」を加えると白っぽい種になります。今この2種類のパン種を作っていて,用途に合わせて使っています。
 スペルト小麦:小麦の原種にあたる古代穀物で人工的な品種改良がほとんど行われていない。硬くて厚い殻に包まれているので,虫などから内部を守ることができる。でも製粉歩留りが低い。また小麦アレルギーを発症しにくいともいわれ,栄養価にも注目されている。収穫率が低いこともあり,価格は普通の小麦よりも少し高い。(Bio小麦1毀2€ Bioスペルト小麦1毀3,5€)
 基本の分量にプラスする副材料もいろいろあります。挽いていない小麦・スペルト小麦・ライ麦・オート麦・大麦,粟,ヒマワリの種,かぼちゃの種,ゴマ,亜麻の種,くるみ,レーズン,干しイチジクなど。
粉の種類や配合,プラスする副材料を変えると,いろいろな種類のパンを焼くことができます。
 黒っぽいパン種で,ライ麦パンを焼くのは思ったよりも簡単にできます。でも白っぽいパン種で,食パンのような日本でなじみのあるパンを焼くのはとても難しく,まだ思ってるようなパンは焼くことができません。白っぽいパン種に卵やバター,レーズンを入れて焼く「クーゲルホップ:すぐ近くのフランスのアルザス地方のお菓子のようなパンです」は上手に焼くことができるのですが。パン種自体が「酸っぱい」ので,もともと酸味のあるライ麦パンには向いているのでしょう。 クーゲルホップを焼く陶器製のクグロフ型を街の市場で買い求めました。この陶器製の型で焼くと,とてもいいかんじ(まわりはカリッと中はしっとりと)に焼きあがります!

 私が週に2回庭仕事のボランティアをしているエコステーションには石窯があります。ここで天然酵母パンを焼かせてもらうことになりました。石窯でパンを焼くのは初めてです。私の老後の楽しみとして,「天然酵母パンを手作り石窯で焼きたい」という漠然とした思いがあります。それにちょっと近づくことができる体験です。
 石窯はエコステーションの建物の中にあります。オーヴンとして使うこともありますが,寒い時の暖房としての機能もあります。そのことをあまり考えていなかった私は,6月になって「石窯でパンを焼きたい!」と申し出たので,最初は「暑い時にはできないよ。冬になってからにしよう。」とあっさり言われてしまいました。それでも「8月には帰国しなければいけないので,どうしても焼いてみたい」とお願いして「その日が気温30度以上だったらやらない」という条件付きで,許可をもらうことができました。
 さて,当日は涼しい日で無事,石窯を使わせてもらうことができました。(でもよく考えるとドイツで30度以上になるということはほとんどないのですが)IMG_5381 (533x800).jpg
 約束の時間に行くと,すでに石窯の中には,薪が井形に組んで準備されていました。それに点火して1時間ほど燃やします。通気孔で火力を調整することもできます。充分に石窯の内部が熱くなったら,熾(おき)火を奥にやり,天板をおくスペースを作ります。この日,4種類のパンと2種類のクッキーを用意しました。「いざ!窯へ!」途中開けてもいいのかわからず,10分ほど経って開けてみると「焦げてるー!」クッキーは丸焦げです。あわてて炭をもっと奥にやり,天板を手前におくことに。窯の中はすごい熱気です。その後10分〜20分ほどで,なんとか焼くことができました。クッキーは余熱で更に焦げてしまい,食べられたのは4分の1ほどでした。パンの外側は焦げてしまっているのですが,焦げ味はしなく,とてもおいしいパンが焼きあがりました。この日は,まだ早いのですが私の「送別会」ということで,ボランティアの仲間やエコステーションのスタッフの方が集まってくれて,みんなでパンをいただきました。とても好評でうれしかったです!


 以前,フライブルクの街なかでのデモに参加したと書きましたが(フライブルク便り8),その時に反対していた「再生可能エネルギー」の改悪法案があっさり可決され,8月1日から施行されることになりました。この法律によって,再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが10年は遅れるだろうと心配されています。
 フライブルクの環境保護NGOの,BUNDの代表の方と先日お会いする機会がありました。その時の話しでは「考えていたよりも再生可能エネルギーへの転換が早く進んだことの揺り戻しであろう。大手電力会社は再生可能エネルギーを脅威に感じており,大政党にロビー活動をし,巧みな宣伝戦術で世論を誘導して,進展にストップをかけることに成功した。」とのことでした。ドイツでもこんなことが起こりうるのかと驚きました。
 またこの時の話しの中でさらっと「フライブルクの電気(個人向け)は100%再生可能エネルギーでまかなわれている」と言われ,「うわ〜すごい!」とびっくり。フライブルクはやはりドイツの中でも飛びぬけて「エコな街」なんですね。

 それでは みなさん お元気で                                      2014年7月27日

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